「…斗真兄ちゃん、さよなら」

「…おい流可、お前変なことしてないだろうな?」

「…してませんから」

ん?

変なこと?

「お兄ちゃん…変なことってなに??」

「あ、あぁ〜、知らないならいいんだぞ〜?全っ然いいからな!」

流可はじゃあ、と言って出て行った。

「どうしたんだあいつ…。
まあいいか。優奈〜、夕飯まだだよな?」

「…うん」

「よしよし、お兄ちゃんが作ってやるからちょっと待ってろ?」

「…ありがとう」

私はそう言って流可のことを考える。

…よく考えてみたら私、酷いよね。

流可に頼らずに

だからといって解決してるわけでもなく。

それに前から何かあったら

頼ってって言われてたのに…

心配だとかなんだとか関係なく

ちゃんと言っておけばよかった…

私はその場で小さなため息をついた。