「見て見てあの子かっこよくない!?」

「わっ、ほんと!!超イケメン!!」

そう言ってその女の人たちが見るのは…

…やっぱり流可。

「あ、でも隣にいるの彼女かな?」

「あー、さっき食べさせっこしてたよ」

「羨ましい〜!!」

…ん?

「ねえ流可、普通幼なじみに食べさせっこしないの?」

「…食べさせっこってさっきの?
…普通…どーだろな」

「うーん…」

っていうかさっきの人たちの会話、

聞いてなかったのかな?

「…付き合うってどんな感じなんだろ」

「…え?」

流可がこっちを見たけど、

私はクレープをじーっと見つめる。

「流可としてることってまさにそれだったりするのかな?」

「…」

流可は黙って私から目をそらす。

「…さあ。
でもまあいいんじゃねぇの?」

「…そうだよね、別にそういう意味があってやってることじゃないしねっ」

「…ああ」

「うん!スッキリ!
あ、最後の一口…食べる?」

「…いや、残りやるよ」

「やったっ、ありがとう!」

私はそう言って

全部食べ終わり…

「じゃ、帰ろっか」

「…ああ」

流可に少し元気がないのを

気にしながらベンチを立った。