放課後

「優奈、帰ろ〜」

ホームルームが終わったのと同時に

私の教室に来た流可。

「相変わらずほんとすごいわ、
あのストーカー気質」

「ストーカーではないよね、
一応親しいし、幼なじみだし」

親友の宇藤舞(うとうまい)に

そう言って鞄を持つ。

「毎日毎日ご苦労なことね〜」

「まあそれは確かに…面倒じゃないのかな?」

そう言ってひきりなしに女子に

話しかけられている流可を見る。

「まあ、面倒より優奈が勝つんでしょ。
ほんとストーカーよね」

「ストーカーじゃないってば…」

「はいはい、じゃあねー」

私はため息をついて舞を見ると、

鞄を掛け直して

教室のドアの方に向かう。

「流可、お待たせ」

「いーえ。じゃあ帰ろ」

「うんっ」

そう返事をして並んで帰る。