「腕は私が悪かったけど、だからって抱きしめることないでしょ!
そういうのは好きな子にしかしちゃだめ!」

私はそう言うと

ガッと流可の手を掴んで退けた。

「…ならいいじゃん?俺優奈のこと好きだし」

そう言って不満そうな顔をする流可。

も〜…

「ほら起きて?朝ごはん作ろうよ」

「…はいはい」

そう言って渋々起き上がった流可。

「そういやリビングで寝ちゃったんだな」

「そうなの…ごめん」

そう言って少し反省。

布団もなしにそのままって…

ほんと悪いことしちゃったなぁ…。

「あー…俺もつい寝ちゃっただけだし。
気にしないでいいよ」

「ほんと?」

「ああ。…じゃあ身支度してきて。
俺も着替えてくるから」

「うんっ」

私はそう言って微笑むと

髪を結い直して顔を洗いに行った。