「…あ」

「え?」

流可の声にそう言って、流可の目線を追うと…

「…あ」

……私たちの前には、リア充さんがいらっしゃいました。

( (よりによってこのタイミング…) )

私はため息をつき、同時に流可の方からもため息が聞こえた。

「…あんな風に、届けばいいのに…」

流可の呟きにドクンっと心臓がひときわ大きく鳴った。

なに?今の言い方…

好きな人がいる、みたいな…

…いる、のかな…

…いるから、いったんだよね。

もうショックを通り過ぎてしまう。

…もう…いいや。

私は流可を見てそっと微笑んだ。

「…帰ろ?」

流可は私を見て、ゆっくり頷いた。