「…斗真兄ちゃんに呼ばれたから、鞄置いたら優奈の家行くから」

「あっ…そう、なんだ…」

そう言ってふいっと顔を背ける。

…お兄ちゃんのバカ。

なんで今呼ぶのよ…

「もし斗真兄ちゃんがいなかったら連絡頼むな」

「う、うん…」

私はそう返事をして、目線を落とした。

…嫌だな。

なんでこんなに苦しいんだろ。

…なんだか涙が出てきそう。

だって…こんなに近くにいるのに、

流可はとても遠いんだもん。

…遠いんだよ。

流可と私の気持ち。

遠すぎて見えないよ…

…ねえ、今何を思ってるの?

私が隣にいて、どう思ってる?

…私はね、好きって想いが溢れ出てるよ。

もうどうしようもないくらい、

流可が……好きだよ。