そして、やはり目に入ったのは…唇。

唇に一瞬ツツ…と指を滑らせ、

鏡から目をそらしてベットに倒れる。

…結局流可はどう思ったんだろ。

あんな風に抱きしめてくれたのは

やっぱりただ私が泣いてたから…?

…だよね。

無駄な期待はしない。

ため息をついてゴロンと寝返りを打つ。

…好きになったのはいいけど…

…正直無謀な気がする。

流可はかっこよくて頭がよくて強くてスポーツもできて…

そんな風に完璧なのに、

私は勉強は普通、スポーツも普通、

容姿は中の下。

しかも流可には迷惑ばかりかけて…

…釣り合うわけがない。

はぁ…とため息をつく。

それに流可はモテるし…

今まで何回告白されてるんだろ?

…考えたくもない。

私はまた寝返りを打つ。

…人を好きになると

その人のことばかり

考えちゃうってほんとなんだな…

私、また流可のこと考えてる。

…明日…迷惑かけてごめんって謝ろう…

あと…陵君とも話そう…。

私は弾みをつけて

ベットから立ち上がり、

部屋を出てリビングに向かった。