そんな想いはひた隠しにして、

震える優奈をそっと抱きしめる。

「っ…流可…」

「うん?」

「…す……
……ありがと…」

そう言って涙を拭った優奈を見て

そっと微笑む。

けど俺の目はどうしても、

優奈の艶やかな唇を捉えてしまって。

そしてこんな思いをしていることを

優奈が知らないということが、

たまらなく辛かった。