「…久しぶりだなぁ、流可?」

「…ああ」

小さく呟いた陵の言葉にそう返して目をそらす。

「優ちゃん、そういえば斗真お兄ちゃん元気?」

「うんっ、元気だよっ!!」

「そっか。また会いに行こうかな」

「うんうんっ、是非来てっ!」

優奈の言葉にチラッと俺の方を見てフッと笑う陵。

…相変わらず嫌な奴。

「っていうか陵君、どうして急に帰ってきたの?」

「父親の都合だよ。
またしばらくこっちにいる。
学校も優ちゃんたちと一緒だよ」

…げ。

「そうなの!?やったぁ!!」

「うん、俺も嬉しいよ」

…なーにが俺も嬉しいよ、だ。

二重人格め。

俺の前じゃ本性ぶっ放すくせに。

「そういえば優ちゃん、今日は流可と二人できたの?」

「うん、そうだよ?」

「……へえ…」

優奈の言葉に陵は面白くなさそうな顔。