「…まだ怖い、か」

「え…」

すると流可は私の方に来て、

…ふわっと優しく抱きしめた。

「…大丈夫、俺がいるから」

「…っ……」

ドキン…ドキン…ドキン…ドキン…

「あ…の…流可…」

タララララっタララタラララっタララ…

「あー、悪い、ちょっと出させて」

流可はそう言って

ポケットに入れていた

携帯を出して耳に当てる。

…ギャーギャー言ってる声が

聞こえるから多分お兄ちゃん。

私は呆然と窓の外を見る。

な、なんだったんだろ…

なに言おうとしたんだろ、私…

電話している流可の方を見る。

それにさっきの感覚…

最近この感覚が多いけど、ほんとに…

「優奈、冷蔵庫にケーキあるって」

…なんなんだろう…

私は微笑んでいる流可の手を取って

リビングに向かった。