…バンっ!!!

「流可ぁ〜!!」

「うわっ、優奈!?」

私は流可の部屋に駆け込むと流可に思いっきり抱きつく。

「うえっ…時計止まった…」

「あ、あー…そう……」

「…でね、また動いた」

「へー…」

「…ねえ、なにか出てくるかもぉ〜!」

そう言ってまたぎゅうーっと抱きつく。

流可は私の頭をポンポン撫でて呟く。

「…多分狼が出るんだと思う」

「…え!?」

「…なんでも。
優奈、時計は多分電池が外れかかってるか切れかかってんだよ。ほら、行こ」

「…うん」

そう言って流可から離れる。

「…狼出る?」

「…多分もう出ないだろーなー…」

「そ、そっか…よかった…」

そう言って安堵の溜息。

…そういえばさっき流可に怒ってたのに、

やっぱりいざってなったら助け求めちゃうんだなぁ…