「優奈、入っていい?」

シーン……

…居留守?

「優奈」

シーン……

「…入るよ?」

俺はそう言うとガチャ、と

優奈の部屋のドアを開けた。

優奈はベットで布団もかけずに眠っていた。

俺は静かに優奈の寝ているベットまで近寄り、

向こうを向いている優奈の額に手を当てる。

熱は…ないみたいだな。

額から首に手を移してもう一度温度を確認。

…うん、ない。

よかった…

ほっと安堵して手を離そうとすると…

「…ん……」

優奈はゆっくり寝返りを打って

こっちを向いた。

「っ…」

それと同時に少し緩んだ唇や

長い睫毛が俺の目に映る。

…ドキン…ドキン…ドキン…ドキン…

一気に鼓動が速くなって、

つい優奈の綺麗な肌に手を伸ばす。