風によって ちょっと癖のついた髪の毛が暴れだした。


それから、風景が流れるように過ぎ去った。


学校について 自転車置き場へ行き、自転車を止めた。


「月野、走るぞっ!」


佐久間くんはそう言うと、私に手を伸ばした。


「えっ......手?」

「手、繋ぐの!ほら行くよ」


佐久間くんは私の手を掴んで 走り出した。


「...え、ちょっ......待って!...速い」


「走らないと遅刻するよ?それとも、遅刻してもいい訳?」


「ううん、遅刻は絶対ダメっ!」


「じゃあ、走っても文句ないよね?」


そう言って走り出した私達。


静かな廊下に私達の"ドタバタ"と足音だけが響いた。