大好きなあいつ

ー侑芽ー
20分後。
私は泣きながら家まで走ってきた。
お母さんいるよね。
「ただいま。」
「お帰りなさい。どうかしたの?元気ないけど。」
元気よく言ったつもりだったのに、お母さんに気付かれちゃった。
「ううん。なんもないよ。」
「そう。ならいいけど。」
私は部屋に入った。
そのままベッドにダイブした。

目がさめた。寝てたんだ。
「おはよ。」悠がいた。
「なんでいるの?てかどうやって入ってきたの?」
「お前のお母さんにお前の彼氏だって言ったら入れてくれた。」
「勝手に入ってこないでよ。」
「勝手には、入ってない。入れてくれただけだし。」
「用は?用があるから来たんでしょ。」
「いや。謝ろうと思って。さっきのこと。」
「別に良かったのに。」
「さっきは悪かった。」
「わかったよ。許す。私こそごめん。」
「いい。」
「侑芽〜。悠君ご飯食べていくのー?」
「だって。食べていく?」
「あぁ。食べていく。」
「お母さん。食べていくってー。」
この時はまだ知らなかった。あんなことが待ってるなんて。