† side真尋 † 中3の夏。 夏祭り。 思い切って着てみた浴衣、 履きなれない草履。 そして、靴擦れ。 バンソーコーも持っていない、 女子力のない私をあなたは笑わなかった。 手を差し伸べてくれては、 私をおんぶして、家まで送ってくれた。 学校も違う。 名前も知らない。 1発目の花火が上がる。 匂うのは、 火薬の匂いと、 恋の香り。