眠り姫

それからはまたお互い無言で

床を拭き続けこの時間を終えた。

1人になった部屋で私は何とも言えない

感情と疲労感に襲われた。あれだけの

事が今の自分にとってはとても嬉しい

ことのように思え、自分は案外安いと

思ってしまった。

そしてこのあと私は必死に彼の姿を

探したがどこにもいなかった。

鈴木先生によるともう帰ってしまった

らしい。なんとも自由人だ。

そう教えてくれた先生は遠くを眺め

大きなため息を1つついた。