結局私は昼休みがおわるまで人目を

気にしながらすごしていた。

そのおかげで私はもうだいぶ心がすり減

っていた。

「藤谷さん!隣の部屋の掃除をお願い
してもいい??」

「わかりました。」

できるだけ愛想よく答えた。

「寺田君にも...」

と、何かを言いかけると軽快に走って

隣の部屋で寝ていた寺田君をたたきおこ

しながら

「寺田君も藤谷さんと掃除一緒にしなさいよ!!」

「いや、いいっす。」

「何言ってるのよ!ほら、立った立った!!」

この2人のやり取りはもう私の中では

夫婦漫才にしかみえなくなってきていた

そして、鈴木先生は嵐のように部屋を

後にした。そして寺田君は席を立つと

雑巾を手に取り水で濡らしていた。

ちゃんとしてくれるんだ。

安心していると寺田君が近づいてきて

ぶっきらぼうに

「はい。」

と、その雑巾を手渡された。

びっくりきてしまったが声を振り絞って

「あ、ありがとうございます。」

と、なんとか言うことができた。