洗うべきか。

まだおじいさんの臭いが微かに残る袴。

「困ったものだわ…」

…ドプン、ドプン

「あら…?」

…どんぶらこ、どんぶらこ…

おばあさんの声が出ません。

丸くなった目線の先には…

「桃だわ…」

信じられないほど大きな桃が。

川を流れていた。

「大きい桃…食べられるかしら」

おばあさんは、その大きな桃を優しく
拾い上げました。

「まぁ、持ち帰って考えてみましょ」

洗濯を終え、家に帰ってきたおばあさんは、早速食べようとしました。