「あ...どうしよう鈴~!あたし体育館にジャージの上着忘れてきちゃった」


「もーバカモモ!待ってるから早く行って来なさい」


「ごめん~!」


玄関でローファに履き替えたところで

何か違和感を感じてみれば上着を忘れたことを思い出したあたしは

全力ダッシュで体育館へ向かった。



鈴を待たせていることはもちろん、もう少ししたら運動部の生徒で


溢れかえってしまうから....急がなくちゃ!



「あった...!」

更衣室の隅にたたまれた上着を抱え再び走り出した。


そのとき_____


~~♪



ん?

聞きなれない着信が静かな体育館に響き渡って


あたりを見渡してみれば、ステージの端にケータイが置いてあった。




鳴り止まないケータイ。


...これって、もしかしたら探しているのかもしれない!



あたしはしぶしぶ手に取り通話ボタンを押した。


「もしもし...」

『あーっ!!もしもし?!』


電話の向こうでは息の切れた大きな声が聞こえる。

『もしかしてケータイ拾ってくれた!?』

「あ...そうです」

『わーマジでサンキュー!で、今何処にいる?』

「体育館ですけど...」

『おっけ!今すぐいく!』


__プープー


....切れた。