「ねー、萌愛っちさ好きな人おるん?」

あたしは休み時間、仲のいい友達──加藤 朱里沙─Kato Arisaと話していた。

「え、何朱里沙急に笑」

「ん?いやー萌愛モテるからモテ子に好きな人いんのかなーって」

いやいやいや。モテないし

現在彼氏いないし 特に好きな人おるわけでも....な....いし....

「で、どーなの?」

「ど どーなのって言われても....」

「朱里沙さー分かっちゃった笑萌愛、足立のこと好きでしょ笑」

え、

あたしが....??

「なんでそう思ったん?」

あたしは朱里沙にすかさず聞いた。

「だって萌愛、いっつも足立のこと見てるじゃん!!もぅバレバレ笑」

見てないし!!

....いや、見てるかも

あーなんか自信なくなっちゃった。

「認めたら?だってこんな馬鹿な朱里沙でもわかるんだよ?萌愛頭いいくせにそういう所鈍感だよね笑」

グサッ

なんか今言葉にトゲがあったような....

しかも別に頭よくないし

朱里沙は....うん。はい。

「でもさ、どうやったらその人のことが好きだってわかるのよ?」

そもそも、皆好きだっていうけど、その基準はなんなの?

「それは萌愛本人が決めることじゃないの?じゃあ、足立が他の女子と話してたら、なんかモヤモヤしない?自然と足立のこと見てない?」

うわ。

モヤモヤするし自然と足立のこと見てるじゃん!!