それに甘えてわがままに育ったトオルに 初めてえつこが抵抗した。 「ばいばい、トオルちゃん」 電車がプラットフォームに入り、扉が開かれるとえつこと草野は何事もなかったかのように乗車した。 発車し、ホームにたたずむトオルが見えなくなるとえつこは少しずつ泣き出した。 草野は抱き寄せ、えつこの頭をなでる。