雨木ちゃんにしては失意な恋


「暑いでしょ、ちょうどよかったね」

空のボトルを、浪江がえつこにしたようにトオルの鼻っ柱に投げつけた。

唖然とするトオル。

それもそうだ。生まれた時からえつこはトオルに優しく、悪口も暴力も何もしたことはなかったのだから。