えつこは嫌気がさした。

ただ黙って歩いていると居心地が悪いので、それをまぎらわそうとしただけだ。

なんだっていちいち草野に答えなくちゃいけないのか、本当に嫌になる。

言わないだけで、えつこはさっきから頭痛がガンガンして機嫌が悪いのだ。

相当な量の酒を、あの男達に飲まされたらしい。気分はどんよりと落ち込んで、憂鬱が止まらないし、歩くのも本当はおぼつかない。

なのに草野のくだらない質問に真面目に答えているのは、えつこの性格というよりも、ただ殺してもらうためだけにしているようなものだ。

さっさと殺せ殺せと思うほど、草野よりもえつこの方が人を殺したいように見えてくる。