浪江は肩をゆっくりと上下させ、何か話し始める。

この時、小声だったのはきっと近所の人間に聞かれたら体裁が悪くなるからだろう。

「あんたがその高校に入学したら裏口入学になるのよ。私達はもれなく犯罪者だわ。そんなの許さない。うちにはね、まだトオルがいるんだから。だから入学金は払ってあげない」