雨木ちゃんにしては失意な恋


えつこは、それからとつとつと話した。

話の間、浪江は黙っていたが、時々トオルが歓声をあげ、きゃあきゃあとはしゃいだ。

「トオル、あっち行ってなさい」

「え、なんで」

「いいから行ってなさい!!!」

浪江は叫び、それと同時にえつこにグラスを投げつけた。

えつこはびっくりして、よける暇もなく顔にグラスがぶつかった。
運悪く鼻に当たり、鼻血がぼたぼたと
テーブルに落ちた。