雨木ちゃんにしては失意な恋


「このまま、殴り殺してくれよ」

えつこはその言葉が頭に来て、更に草野を殴ってしまうのだが、本当はそんなことがしたいわけじゃない。

「好きなの…私は草野が好きなの…」

えつこの手を、ぎゅっと草野は握る。
そして、自分の首へと持っていった。

首に手をかける。

しかし力を入れようとしても入らない。
入らないというより、入れたくない。

「殺せるわけないじゃないの…」