草野はえつこのことをどう思っているのだろうか。 あの日、えつこが自殺願望をなくした日に草野には気持ちを伝えたのだが、一向に新しい返事がない。 毎日変わった様子もなく、ぼんやりとしたままの草野は、どう見てもえつこを愛しているとは思えない。 しかし道を歩くときには手をつなごうと言ったり、夜、自分の布団の中に入ってくるよう誘ったりするのは草野ばかりだった。 えつこは、自分の愛を持て余していた。