夕暮れが近づくと、草野の母は風呂を沸かす。
夜ではなく、昼の終わりに入る風呂は何だか贅沢な気がした。
えつこは、風呂で汗を流した後、草野に入るよう言いに行った。

もうすぐ帰る予定の日が迫っている。

答えを出さなくてならない。
けれど草野の母も父も催促をしたことはこれまでに一度もなかった。

何だか草野が就職しようと、このまま自由気ままな生活を送ろうと、どちらでもよいという感じがした。

えつこ一人が、草野の人生についてあれやこれやと考えている。