豪邸から伸ばされたレッドカーペットを、男の子が歩いてくる。
身長はそんなに高くないけどすらっとしてて、白いスーツがよく似合う。
「英知様!おめでとうございますぅ!」
…さっきの女の人たちがまたうるさい。
遠くてあんまりわかんないけど、きっと顔もかっこいいんだろうな。
「皆様、本日はお集まりいただきましてありがとうございます。
この度、18歳の誕生日を迎えることになりました」
『18…ってことは、高校生!?』
「そうだな。萌佳の一個下?」
『はい、そうです』
奏さんは挨拶を聞きながらずっと食べていた。
まったく、失礼だよ〜
「…それでは、引き続きお楽しみくださいませ」
挨拶が終わって、会場が拍手に包まれる。
英知サマはまた豪邸の中に戻っていった。
『あれ…会場に残らないんだ』
変なの。
その光景をぼーっと見つめていると
「萌佳様」
『ひゃっ!!!』
後ろから突然話しかけられた。
声の主はメイド服を着た女の子だった。
「失礼いたしました…
どうぞ、こちらにいらしてください」
『えっ、なんですか?』
「英知様にお会いいただきたいのです」
今から?
個別で会うの?
「その前に、英知様からのお申し付けがございますので、こちらへ」
お申し付け…?
不審に思いながらも、メイドさんの後をついていく。
奏さんも付いてきてくれた。
豪邸に足を踏み入れると、なんだかいい香りにつつまれている。
そして、圧倒される華やかさだ。
