『わっ…美味しそう!』
さすが、お金持ちのパーティー。
これは期待以上かも!
あたしが料理に目をやっていると、奏さんが女の人に囲まれていた。
あーあのイケメン…
さっそく目立ってるよ…
あたしが助けに行こうとすると、奏さんのほうがあたしに駆けよってきた。
『奏さ………へ?』
奏さんは、あたしをふわりと抱きしめた。
そして耳元で、
「ごめん、合わせて」
と囁いた。
「俺はこの子と付き合ってるから」
「えーー!」
「こんな普通な子とーー!?」
女の人たちから悲鳴が沸き起こる。
…普通で悪かったなっ!
「なによあなたたち、きょうは英知様が目当てで来たんでしょう?」
「…それもそうねっ」
女の人たちが話している間に、
奏さんはあたしの肩を抱いて庭のテーブルまで誘導してくれた。
『たいへんですねーイケメンは』
「うるせえな…あーいうの、ほんと疲れる」
奏さんはだるそうな顔をして椅子にもたれかかった。
「それより、料理取りに行こうぜ!早く食べたいし」
『はいっ!』
こうなったら、満腹食べて早いとこ帰ろう!!!
奏さんと一緒に、バイキング形式で食べ物とジュースをもらい、テーブルに戻った。
…しかし、いちいち視線が痛い。
同世代の男の人は奏さんくらいしかいないからかな。
そうじゃなくても目立つし。
