「萌佳みたいな子ひとりで行かせたら、
危なそうだったから」
そういって、奏さんはあたしの頭を少し強めに撫でた。
…なんだよ、ずるいな。
また子守り?
ちょっと、嬉しいんですけど。
『ありがとうございます…』
あたしは少し下を見た。
顔が赤くなったのが、バレないように。
駅について、改札を抜けた。
いろんな人がこっちを見ている。
みんな奏さんのことを見ているんだろう…
『でも、セレブのパーティーって凄そうですよね!楽しまなきゃ!』
「そうだな」
奏さんは、すごくあったかい目であたしを見る。
そうして、私を安心させるんだ。
会場があるのは2つ先の駅だった。
電車に乗ると、この人も行くのかな…って格好をしたひとが何人かいた。
一体、どれだけの人が集まるのだろうか。
そういえば、駅からは送迎の車がいるって言ってたな。
ほんとさすがお金持ち。
