「噂の、奏の彼女でしょ?」





………は?


彼女??誰の??



奏……って、は!?




『ちがいます!!!』


あたしは立ち上がって全力で否定した。



「えー?でも、奏の家から出てくるとこを綾人が見たって」


「えっ、なにそれ!」


玲花さんがあたしを肘でつつく。

「きいてないぞ、萌佳〜」



『ち、違うんですってー!』


ゴキブリが嫌で、泊めてもらったなんて言っても信じてもらえないだろうな…

でも、うまい言い訳できないし…



『とにかく、付き合ってないです!
奏さんのこと好きじゃないですし!!』



「そうなの?」

ミヤさんは追求するのをやめてくれた。


玲花さんはまだ疑いの目を向けている。