「あ、さすがにもう大丈夫か。
ちょっと泣いてたからさ、萌佳」
チャラ男サンはあたしの頭をぽんぽんと撫でてくれた。
『あ、もう大丈夫です……』
もしかして、心配して連れてきてくれた?
座りなよ、と言われて
ソファに座った。
やばい。緊張する…………
やっぱり来るんじゃなかったかな。
「萌佳、あしたの予定は?」
『え、えとっ、特になにもない、です!』
「そう。あーあしたって日曜か〜
授業ある気がしてたわ〜」
チャラ男サンは手帳を見ながら言った。
「それなら、ゆっくりできるね」
『はい………はい?』
ゆっくり?
それは、どういう…意味?
「疲れた〜っ。ちょっと休むわ〜」
チャラ男サンが隣に座る。
あたしはドキドキして、それを隠そうと無言でiPhoneをいじる。
チャラ男サンも、ずっと無言。
