「帰るぞ」
『は、はい!』
なんだ。絶対行くと思った。
送らなきゃいけないなんて、迷惑じゃないのかな…
もしかして、意外といい人?
子守りってのはムカつくけど…
「一人暮らし?」
『あ、は、はいっ!』
「ふーん」
チャラ男さんは気を使ってか、いろいろと話しかけてくれた。
なんか、見た目と違って落ち着いてる人だ。
『あ、わたしこのアパートです!』
「…え?」
『え?なんですか?』
「…俺もこのアパート」
『ええっ!?』
センパイの家は同じアパートの1階だった。
その上の部屋が、あたしの家。
「…じゃ」
『あ、送ってくれてありがとうございます!』
「おう」
ただ帰っただけだけどな、と
チャラ男サンは笑った。
「なんか困ったことあったら言えよ。
えっとー…モカちゃん?」
『あ、ありがとうございます!』
なんだよ。
ずるいな、あのイケメン。
あれは顔だけでモテるんじゃないな…?
