「おーい、俺の話聞いてるか?」



「聞いてんよ!」



ーーー聞きたくないけど、



「ほんとかー?」



「ほんとほんと!」



ーーー悲しいけど、



ちゃんと、聞いてるよ?ーーー




笑顔がひきつる。


まえ、あんたがそんな私の顔を見て


心配してきたよね。


あれね、


嬉しかったけど、


哀しかった。



だって


これ以上好きになってもさ



苦しいだけじゃん。



だから、



心配なんてしてほしくなかった。




あんたの顔が


見えないように。



私の顔も


見えないように。



あんたの斜め後ろを歩く。