「…いな!星奈!!」
「へっ?あ、うんなに?」
「なあに?イケメンでも見とれてた?笑」
きっと千紗もイケメンを探したのであろう。
「いや、違うんだけどさ…まあ千紗は?」
よくぞ聞いてくれましたという顔をした千紗は
「いたの!!隣のクラスの人!めっっちゃイケメン!」
隣のクラス?
イケメンに目が無いあたしなのに隣のクラスのイケメンより遠いクラスの人を目で追っていた。

「おーーーい?どうした?星奈いつもぼけっとしてるけど今日は一段とぼけっと…「拓也!一緒に帰ろうぜ!」
そう千紗の声にかぶさった人はまさしく、入学式で見かけたあなただった。
さっきの表情だなんて嘘だったかのように楽しそうに男子何人かで歩いていった。
心臓が大きく跳ね上がった。




そう、きっとこの日からあたしはあなたに恋をしていたのかもしれません。