「もうっ!離してってば…っは?」 なかなか離してくれなかったから振り向くと、そこには日野くんがいた。 「早く案内しろよ。俺だって暇じゃねぇんだよ。アホ。」 「アホじゃないわっ!」 日野くんの足を思い切り踏んづける。 すると日野くんは私の襟首を離した。 「いっ…!」 日野くんの綺麗な顔が、痛みにより歪む。 悔しいことに、痛みで歪んだ顔さえかっこよかった。