「…あー、悪い。もう帰るわ。おい、奈津。」



な、名前⁉︎



「は、はい…っ!」



「おまえは俺のものだっつーことだけ覚えとけよ。

俺と付き合ってないとか絶対言うな。わかったか。」



「うっ、わかった…」



私がそう返事すると日野くんは私の頭に手を置いた。



「ん、それでいい。じゃ、また8月5日な。」



「うん…っ!」



私の頭をポンポンして帰っていく日野くん。




って、んん?8月5日って何かあったっけ?



「なぁ、ねぇちゃん。」



ボーッと日野くんの背中を見つめながら弟は口を開いた。