「日野くんは…私のだから…っ!」 俯きながらそう言うと日野くんはクイっと私の顎を上げた。 「ふっ、今度はおまえが真っ赤。」 「んなことないもんっ!」 なんか嫌だ。この空気。 なんていうの?甘い空気っていうのかな。 こういう雰囲気なのは苦手だ。 「…あの、俺いるんすけど。」 気まずそうに弟が切り出す。 そ、そうじゃん、いたじゃん……