透明人間


「…クッ…ヒック……ウーー…」


俺は目の前にティムがいるのも気にせず、思い切り泣きじゃくった。



…きっと俺は
ちょっとだけ
ほんのちょっとだけ

現実から逃げたかっただけだったんだ。



きっと、本当に本気で死にたかったわけじゃなかったんだ。



最近自殺する奴等が増えてるけど、中には死んだ後に俺みたいな気持ちになった奴もいるんじゃないだろうか。



あぁ、俺は本当に甘かったんだなぁ…。






――青い空の下で、俺は17年の人生の中で一番泣いた。