呆然とテレビを見詰めながら、俺はなるほどなぁと一人で納得していた。 俺が透明人間になった時。 あの時、俺は死んだことに気付いてなかったけど、きっと体と心が死んだことを把握していたんだ。 だからあんなに異常な程落ち着いていたんだろう。 俺が魂だけの存在ならば、人間の魂を集めることが仕事である悪魔が現れたって不思議じゃない。 死んだことに気付いていない人なんてそうそういないだろうから、ティムが俺を『特殊なケース』呼ばわりしたことにも頷ける。