「ミユ、それめっちゃおいしそ!」


今日も私が作った弁当の中身を、ユイが目をキラキラさせて見る。


「これ、ただのウインナーだよ?」

「だって!タコさんウインナーだよ!!」


この学校の給食を作る調理場が、ちょっとした手違いでしばらく給食を作れなくなったらしい。
だから、しばらくは弁当を持参することになった。


うちの親は、もう中学生なんだから自分で作れ、と無理やりつじつまを合わせたようなことを言う。
もちろん、本当は自分が朝早く起きて作ることが面倒だからなんだと思う。


「明日、ユイのお弁当も作って来ていい?」

「ホントーっ!?ありがと!」


ついでだよ、ついで。
そんな感じで、私はニコリと笑う。