パステルマカロン

遥とそんな他愛のない話をしていたらもう休み時間の終わりを告げるチャイムが校舎内に響いた。
周りの人は急いで席に戻る人やまだ先生がきていないからって話を続ける人もいる。
私と遥は「じゃあね」と小声でお互いに言った。
遥が席に着いた後、タイミング良く先生が入って来て、まだ話している人は慌てて自分の席に座る。
私は(遥と一緒のグループだと良いな…)と一瞬考えてしまった。
いつの間にか遥の事しか考えてないなと思い、もしかしたら遥に恋しているのかとかいいや、ただ仲がいいだけでこのクラスで話せる人なんて遥ぐらいだから同じグループだと良いなって思ったんだなんて考えて交差する。
ちょっとぼーっと考えて出た答えは仲がいいから同じグループだと良いなって思ったんだ。きっとそうだ!と無理やり答えを出し、自分でそう納得しようとしていた。
(私が恋なんてするはずがないもの…)と自分に言い聞かせるように強く思った。
そんな事を思っているとぼーっとしているせいか先生に「ちゃんと話を聞きなさい!」と注意された。
私は「はっ!」と気がつき、ちょっと恥ずかしそうに「すいません…」と言った。
周りの人はクスクス笑ったり、興味なさそうに外を見ていたり、寝ている人がいた。
寝ている人を注意すればいいのにとちょっと妬ましく思った。
席替えでは、男女別でくじを引かなければいけない。さっき、決めた新しい学級委員が一人一人にくじの紙を配っている。
全員、配り終わった後に一斉にくじの紙を広げて、黒板に書いてある席の数字を確認し、黒板の方へ行きどんどん名前を書いていく。
待っている人や書き終わった人はどこの席だった?と少し騒いでいた。
人溜まりが少し減った後、黒板を見てみると私席は窓側に一番近い列の一番後ろの太陽の日差しが差し込んでいる席だった。
そこの席に自分の名字を書いて自分の席に戻り、新しい場所へ席を移動させていた。
新しい場所に着いて周りを見てみると、遥は私の列から四番目の列の一番後ろの席だった。