私と遥は新しいクラスへ向かいながら話をした。
「遥は何か得意な事とかあるの?」

「得意な事かぁ…
あるとすれば手芸かなぁ…」と優しいお日様のような笑顔でおっとりとした口調で言った。

「遥って手芸出来るんだ!凄いね!!
私なんか、マスコットもろくに作れないくらい下手だよ~ww」

「そこまで上手くないよ!
この前作ったのがウサギのぬいぐるみくらいだから!」
(ウサギのぬいぐるみだと!?
何故そんな可愛いものを…!?そんな事より何故そんなに女子力が高いんだ!
私なんかウサギのマスコット作ったのに「何これwwww」って笑われたのに~…)なんて考えてると遥がいきなり聞いてきた
「ちなみに利里香は何か得意な事とかあるの?」

「えっ!?あぁ!!得意な事?私は…絵を描くのが得意かなぁ…
一応、中学の時は美術部だったからね~」

「えっ!そうなの!?
ちなみにどんな絵を描いてたの?」
遥は目をキラキラさせながら興味津々で聞いてきた。
私はなんて無邪気なんだ…って思ったけど純粋で可愛いな~って思う私も居た。
「うーん…主に夕陽に照らされた教室とか桜が満開している校庭とか季節を感じるやつとか自然なものを描いてるかな~」

「僕もその絵見てみたいな~」と甘えてくるかのように言ってきた。
めっちゃ可愛いです。

「えー…でも、今はないからまた別の日にもってきて見せてあげるね!」と言うと 
「本当!?ありがとう!!
あ、もう、教室だね…
良かったら明日も話しても良いかな?
駄目だったら別に大丈夫だよ!」と寂しそうな顔で言ってきた。
そんな顔で言われたら断ることなんて出来る訳ないじゃないか~!と思いつつ私は「良いよ♪友達とも別々のクラスになっててあまり話す人もいないから!
逆にこんな私で良ければだけど…」と言うと遥はあの寂しそうな顔とは一転してパァと明るくなり元気な声で「ありがとう利里香!!
じゃあ、また後でね!!」って言った。
私も「うん!また後でね♪」と言った。
私は自分の席につき、頭の中で「また後でね!!」と言っていた遥のあの笑顔を思い出しながら早く学活が終わらないかなぁと心を踊らせながら先生の話を聞いていた。