春は新しい物語が始まる季節だ。
それを知らせるかのように桜の花びらが風に乗ってひらひらと舞っている。

私も新しい物語を始めるために黒い髪をくくって前髪をピンでとめて新しいぶかぶかの黒のカーディガンと制服を着て、わくわくしながら新しく通う高校へと向かう。
クラスを確認し、ちょっとドキドキしながら向かうと一人の男子生徒に声を掛けられた。
その男子生徒は私と同じ学年みたいで、春の日差しのように暖かそうで優しいそうなイメージでちょっと寝癖がついている。
身長が170㎝くらいでカーディガンがちょっとブレザーからはみ出るくらいぶかぶかで顔立ちがほんわかしていて可愛い人だった。
「あの…ここのクラスに行きたいんだけど分かんなくて…もし、良かったら教えてくれませんか？」と声を掛けられた。

「私も同じクラスだから一緒に行きながら案内するね！」

「ありがとう!!
良かった～同じクラスの人に会えて！
僕の名前は藍沢遥だよ♪これから宜しくね～」

「うん！
私の名前は音鳴利里香って言うの!!
宜しくね遥！」