赤黒いバラ

そうヒールを見ていると後ろから声が聞こえた。

「ヤッホー!桜!久しぶりだねー。」

と、志保里がよってきた。

どうやら彼女も一人で買い物のようだ。

同じ学校とは言え、科も違えば部活も同じじゃなければ会うことがあまりない。

「久しぶりだねって、同じ学校でしょ。」

それから私たちは一緒に遊びに行くことにした。

「そう言えばさ、前々から言いたかったことがあって…」

志保里がそう話を切り出した。

「なに?そんなに改まって。」

ランチを食べるのをやめ、手を膝に置いた。

「小鳥遊先生の事なんだけどさ…。スッゴい誰かに似てるなって…名前も…。」

志保里が考えなから言っている。

そんなに改まることなのだろうか。

「小鳥遊先生って、妙に高橋 斗真君に似てるよね。」

緊張した私がバカだった。と言うくらいあっけにとられる言葉…。

でも、思い出すと否定ができない。