赤黒いバラ

「東雲さん!!探しましたよー。すいません。いきなり会議が入ったもんで…」

いきなり和やかなムードが壊れた。

走ってやって来たのだろうか。息が上がっている。

「仲ちゃん!遅いー!物理なら、小鳥遊先生に教えてもらったからもう大丈夫ですー!」

仲上先生は今年入ってきた先生でもあり美術部の副顧問で、美術部に入った時にたまたま趣味の話をぶつけたら、乗ってきたので仲良くなった。

もはや、先生と生徒って感じじゃない。友達感覚。

「こら。先生って呼ばんかい!!」

そう、小鳥遊先生は言った。

「だって、仲ちゃん先生って感じしないもん。授業分かんないし。あっ。次の部活アイス楽しみにしてるからね!!」

「またか…でも、前のはひどいよ!!」

仲上先生はため息混じりに言った。

「仲上先生もあんまり甘やかしちゃダメですよ。桜はすぐに調子乗るんで…」

小鳥遊先生は呆れ返っている。