職員室は違う棟にあり、そこに入らなければならないようだ。

職員室に入る。

「遅れてすみません。」

緊張して早口になってしまう。

でも、この緊張は嫌いじゃない。

「東雲桜さんかな?ずいぶん遅かったね。何かあったのかい?」

時計を見ると8時10分だった。

集合時間は8時だった。

「すいません。校舎があまりにも広くて職員室分からなくて迷ってました。」

そう言うと、校長先生が笑った。

「そうか。まあとりあえず挨拶を。」

先生方は私を見る。

「東雲桜です。至らない点とかありますが、よろしくお願いいたします。」

「では、東雲先生。分からないことかあったら、数学科の先輩の彼に聞きなさい。彼も3年前にこちらに来て校舎で迷ったそうです。」

やっぱり、校舎で迷う人はいるようだ。

とりあえず数学科の先輩の彼に挨拶をするべく近くに行く。

「これからよろしくお願いします。

ね?先生。」