赤黒いバラ

「仲上先生。本当に成功しますか…。」

今は実験を練習している。

ただ、成功する兆しが見えない。

何を実験しているか。と言うと、酸化銅を還元する実験。

全然還元しない。

「なんで!?何でしないんだよ!?」

軽く仲上先生焦ってる…

「仲ちゃん焦ったらダメだよ。もう一回銅を火にかけてもっと酸化させてみようよ。」

そう。焦っちゃダメなの。

時間はゆっくりじっくりかけるべし。

「あー。ダメだ!!今日はここまでで。ちょっとひとりで試してるから!!」

そう言って、えなは塾へ美結と彩月は部活に行った。

私は仲上先生に許可をとり、一人で銅を熱している。

そうすると、仲上先生が言った。

「オープンキャンパス楽しかった?」

そりゃ。色々と楽しかったですよ。

誕生日祝ってもらったし。

「小鳥遊先生いわく。思い出したくないって言ってるけど。なんかあったの?」

思い出したくないって酷くないか?

そう思いつつ、熱した銅に酸素を触れさせる。

「まあ、色々とあってね。小鳥遊先生恥ずかしい思いしちゃってね。楽しかったよ。大学ってあんなに広いんだね。迷子になるよ。」

そう話していると、実験が成功した。

「仲ちゃん。できたよ。」

そう言うと、仲上先生が嘆いていた。