「休んでただけだ。オレは、眠らない」 そっちの考えはお見通しだよと。 釘を刺されたようで、居心地が悪い。 口数が少ないから、ひとつひとつの言葉が繋がらない。 詳しく聞き返そうにも、蒼井くんの意識は白黒ページの中。 「……失礼しましたっ!」 軽く会釈し、きびすを返す。 例題もなく、応用問題を押し付けられた。 そんな息苦しい気持ちの中、 なぜか、蒼井くんの儚げな立ち姿が、頭を離れませんでした。